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  • 自社の名前が、AIの回答に一度も出てこない理由

    自社の名前が、AIの回答に一度も出てこない理由

    検索順位は悪くない。ページも定期的に更新している。それなのに先日、試しにGeminiに「山梨でAI開発を頼める会社は?」と聞いてみたら、自社の名前もサイトのURLも一切出てきませんでした——そんな違和感を覚えたことはないでしょうか。SEO対策は積み重ねてきたはずなのに、AIの回答の中では、まるで存在しないことになっている。多くの会社が「検索で見つかる」と「AIに見つかる」を同じものだと思い込んでいることが、その原因かもしれません。本記事では、この思い込みの正体と、筆者が実際に4つの生成AIを使って計測して分かった事実をお伝えします。

    筆者は山梨県のAI開発会社「KAIテクノウェブデザイン」のエンジニアです。開発歴40年、これまでに携わったシステム開発は5,000件を超え、OBCスクールではClaude Codeの講師も務めています(2026年度SMB Expert企業賞・システム開発部門受賞)。この経験は、この記事でも「だから大丈夫」と言い切るための土台として使わせてください。

    AIOとは(定義)

    AIO(AI Optimization/AI検索最適化。GEOと呼ばれることもあります)とは、Perplexity・Claude・ChatGPT・Geminiのような生成AIが回答を組み立てる際に、自社のサイトやコンテンツを情報源として理解し、言及引用しやすい状態をつくる取り組みです。

    背景はシンプルです。従来、ユーザーはGoogleで検索し、検索結果のリンクを自分でクリックしてサイトにたどり着いていました。今はClaudeやPerplexity、ChatGPTに直接質問し、AIの回答だけで完結してしまうケースが増えています。冒頭の例のように、この「AIの回答の中」に自社が登場するかどうかが、新しい集客の分かれ目になりつつある——これがAIOが注目される理由です。

    SEOとの違い——ただし土台は共通

    結論から言うと、AIOとSEOは評価者とゴールが違うだけで、やるべきことの多くは重なっています。

    SEOのゴールは検索結果ページでの上位表示とクリックで、評価者はGoogleの検索アルゴリズムです。一方AIOのゴールは、AIが生成する回答文の中で言及引用されることで、評価者は生成AIとその検索パイプラインになります。

    ただし、多くのAIは回答を作る際にWeb検索を経由し、そこで拾ったページを根拠として引用します。Googleも公式ドキュメントGoogle Search Centralで、AI機能を含む検索の仕組みについて情報を公開しています。つまり「検索で拾われるページを作る」という従来SEOの基本ができていなければ、AIOのスタートラインにも立てません。SEOを続けながら、AIOにも取り組んでいく話です。

    実際に計測して分かった3つのこと

    筆者は、Perplexity・Claude・ChatGPT・Geminiの4エンジンを対象に、同一の質問を各5回ずつ反復して投げ、自社サイトが言及・引用されるかを定期的に計測するシステムを自作し、運用しています。見ているKPIは「言及率」「引用率」「引用元ドメイン分布」の3つです。ここから分かったことを、3つに絞って共有します。

    同じ質問をしても、結果が毎回違うと思っていませんか

    同じ質問から5つの異なる結果に枝分かれする様子を表す抽象イメージ
    同じ質問から5つの異なる結果に枝分かれする様子を表す抽象イメージ

    同じAIに同じ質問をしても、返ってくる答えは毎回同じではありません。ある回では自社サイトが引用され、次の回では影も形もない——これは珍しいことではなく、AIの出力が確率的であるために普通に起こります。したがって「Claudeに聞いてみたら自社が出た/出なかった」という1回きりの確認には、ほとんど意味がありません。判断するには、同じ質問を繰り返し投げる反復計測が欠かせない、というのが実測からの実感です。ばらつきそのものを前提に見ることが出発点になります。

    llms.txtを置いただけでは、何も変わりませんでした

    検索では見えるのにAIの回答からは消えていく信号を表す抽象イメージ
    検索では見えるのにAIの回答からは消えていく信号を表す抽象イメージ

    AIO対策としてよく名前が挙がるllms.txtの設置や、schema.org(構造化データの標準仕様を定める公式サイト)による構造化データのマークアップ。筆者の計測範囲では、これらを置いただけで引用が増えるという結果は確認できていません。無意味だと言い切るつもりはなく、情報整理をしてAIにも人にも分かりやすくすること自体には意味があると考えています。ただ、「置けば引用される」という魔法の一手ではない、というのが率直な感触です。

    結局いちばん効いたのは、地味な「基本」と「具体的な数字」の組み合わせだった、というオチです

    華やかな裏技ではなく、効果を確認できているのは次の2つの積み重ねです。1つ目は、質問との関連性が高く、検索でそもそも拾われるページが存在すること。AIは検索を経由して引用元を選ぶため、ここが前提になります。2つ目は、本文に検証可能な根拠や具体的な数字が書かれていること。AIは回答の裏付けとして使える情報を選ぶ傾向があるため、「多くの企業が」ではなく「4エンジン×各5回の計測で」のように、具体的に書かれた文章のほうが選ばれやすくなります。

    今からAIO対策をやるべき理由

    AIO対策は、今のうちに始めておいて損はないと考えています。理由は3つです。第一に、AI経由で情報を集める動きはすでに始まっていて、AIの回答に登場しないことは、その分の接点を静かに失っていることを意味します。第二に、AIOの土台は従来SEOと共通するため、今取り組む施策はSEOにもそのまま効き、無駄になりにくい設計です。第三に、AIの回答は確率的であるがゆえに、効果の確認には反復計測の積み重ねが必要です。計測を始めるのが遅れるほど、判断材料がそろうのも遅れます。

    まずは、ChatGPT・Gemini・Claude・Perplexityあたりに、自社に関係する質問を何度か投げてみて、現在地——言及されているか、引用されているか、どのドメインが引用されているか——を確かめることが最初の一歩になります。

    まとめ

    AIOとは、生成AIが回答を組み立てる際に、自社や自社コンテンツを適切な情報源として認識し、言及引用されやすい状態をつくる取り組みです。筆者は4つのAIエンジンに同一質問を各5回反復し、「言及率」「引用率」「引用元ドメイン分布」を計測しています。

    見えてきたのは、AIの回答は毎回変わるため1回の結果では判断できないこと、llms.txtなどの設置だけでは引用に直結しないこと、そして従来SEOの基本と検証可能な具体的情報の組み合わせが効いてくること、の3点です。裏技探しよりも、確認できる事実を積み重ねて、AIの反応を継続的に見ていく——これが、現時点で実測を通じて言えるAIO対策の基本です。

    よくある質問(FAQ)

    AIOとSEOはどちらを優先すべきですか?

    どちらか一方を選ぶ話ではありません。AIは検索で拾ったページを引用する傾向があるため、SEOの基本ができていることがAIOの前提になります。

    llms.txtは設置すべきですか?

    設置自体が妨げになるわけではありませんが、設置だけでAIからの引用に直結するという結果は、筆者の計測では確認できていません。

    AIに自社が引用されているか、どう確認すればいいですか?

    Gemini・Claude・Perplexity・ChatGPTなどに、自社に関係する質問を同じ文面で複数回投げて確認します。1回の結果で判断せず、繰り返して傾向を見ることが大切です。

    AIOの効果はどんな指標で測ればいいですか?

    「言及率」「引用率」「引用元ドメイン分布」の3つをKPIにしています。

    AIOの効果はすぐに出ますか?

    即効性を約束できる施策ではありません。効果の確認自体に反復計測の積み重ねが必要なので、早めに着手しておくことに意味があると考えています。

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